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2012年10月17日 (水)

2012年10月アイビー随筆

アイビー随筆 「豪州列車の旅」 

                       37年理学部卒 大内 建二

 鉄道の旅が好きな私は、10年前に一度だけ外国での列車の旅を経験した。オーストラリアのメルボルンからシドニーまでの一日がかりの旅であった。全長800キロメートル、所要時間11時間。
 朝8時発シドニー行きのディーゼル特急列車に乗った。7両編成だ。1等座席車に乗ったが車内はほぼ満席。結果的には全員がシドニーまでの客であった。時間はかかっても飛行機より格安なのが魅力なのだ。
 車内は常磐線の特急「スーパーひたち」そっくり。簡素だが快適なデザインである。
 メルボルン駅を発車した列車は郊外らしき景色の中を20分ほど走ると、後はただ牧場の中を走るだけだ。牧場とは言っても日本のような牧草の生えた美しい景色ではない。要するに単なる原野である。所々に境界らしい柵が見られるだけだ。
 思い出したように人家が疎らに集まった集落を通過するが、特急だから駅には停車しない。
 列車の先頭の2両は2等座席車で、社内を覗くと大勢の「農協の団体さん」と思しき中高年の男女の客が、既に全員赤い顔をしてビール片手にドンチャン騒ぎをしている。
 昼食はビュッフェに予約していたサンドイッチとジュースで済ます。ただローストビーフ・サンドとは言いながら、中は薄切りの茹で過ぎた牛肉のようなものが詰まっているだけ。味も素っ気もない。
 途中の駅で一人の中年のご婦人が乗り、通路を挟んだ隣の席に座った。隣に乗っていた中年のご婦人と直ぐに会話が始まったが、それとなく聞いていると、シドニーに住む息子の初孫に会いにゆくところらしい。
 車窓の景色は一行に変化する兆しが無い。一面の原野には一頭の牛も羊も見られない。そのうちに陽が傾いてきた。くたびれ果ててウトウトしているうちに終着の夜のシドニー中央駅に到着した。
 ホームに降りて出口に向かう途中、前方の車両に乗っていた例の「団体さん」達が、したたかに酔っぱらってホームにごろごろ寝ころんでいる。ひと頃の日本の「---」の団体さんの姿を思い出した。
 日本の列車の旅が如何に楽しいか思い知らされた。

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