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2013年1月14日 (月)

2013年1月アイビー随筆

アイビー随筆 「親友」

           37年理学部卒 大内 建二

 親友とはどの程度の付き合いの友達を言うのか、よくわからない。人夫々の基準の中で決めているのであろう。
私も70歳を超えたが親友といえる友達が誰だろうと先日始めて考えてみた。
 なかなか決まらない。つまり自分に親友の基準が出来ていないことになる。ただ少なくとも真の親友といえる友人は一人だけ存在することは確かだ。
 彼とは小学校4年生の時からの付き合いで、その後の私の人生にも少なからず影響を与えていた。真の竹馬の友だ。
 私が小学校の4年生の新学期に、一人の転入生がクラスに加わった。以来彼の無類の鉄道、航空、船好きが私とガッチリと連結器で結ばれてしまった。
 中学校に入った時彼と約束をした。「二人で将来は船乗りになろう」と。しかし中学2年生になった時私の夢は消え去った。私の夢は将来は商船大学に入り航海士になり船長になり、世界の海を駆け巡ろうと言う壮大なものであった。
 中学2年生の時の私の視力は急に落ちた。裸眼で0.6を割っていたのだ。商船大学の入学基準は厳しく視力は裸眼で0.6以上が基準であった。
 彼は船乗りでも商船ではなく当時創設されて間もない海上自衛隊に入り、艦艇に乗りたがっていたのだ。
 彼は高校を卒業すると海上自衛隊に入り、憧れの護衛艦乗り組みになった。海曹になり袖に金筋の入った士官になり、航海科士官として南極観測支援艦に乗り南極に7回も行った。
また士官候補生の訓練航海の指導教官となり練習艦で世界一周を3回も行った。生粋の海の男になった。
 彼とは時々会っていた。横須賀港に停泊中の南極観測艦「ふじ」で彼と会ったこともあった。広島で会ったこともあった。そのたびに彼は精悍な顔つきとなり潮気たっぷりの顔つきとなって
いた。
 私の船に乗る夢は潰えたが船に対する夢は消えなかった。以来会社を定年で終えるまで、船や海事に対する研鑽に努めた。そして退職後は私の夢の実現に努めた。その結果現在では船や海事に関係する本を執筆している。
 彼との約束は果たせなかったが、船への夢は持ち続けた。今でも彼との交誼は続いているが、久々に会う度に彼の顔からは「潮気」が抜け、普通の好々爺に変貌している。

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