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2014年9月10日 (水)

2014年8月アイビー随筆

アイビー随筆 「8月9日」 37年理学部卒 大内 建二

 我々後期高齢者の者にとっては毎年8月15日が来ると、どうしても終戦の時の古い
記憶が蘇る。
 多くの人にとっては、宮城県は昭和20年7月10日の仙台空襲以外には、直接戦争
と関係したことがない、と考え勝ちであるが、終戦を6日後に控えた8月9日に宮城県
下はイギリス海軍極東艦隊の機動部隊による、大規模な航空攻撃を受けたのであった。
 この日宮城県沖の海上に接近した機動部隊の4隻の大型航空母艦(インドミタブル他
)を出撃した140機の艦載機が、宮城県下の陸・海軍基地や市街地を銃爆撃したのだ

 攻撃の対象となったところは海軍松島航空基地、陸軍矢の目航空基地(現在の仙台空
港)、塩釜市内、四檀原秘匿飛行場(現栗原市)そして女川湾であった。
 この日女川湾には海防艦天草他7隻の小型艦艇が在泊しており、当日のイギリス海軍
攻撃隊の主要攻撃目標となっていた。
 この攻撃で在泊していた7隻の小型艦艇は全て撃沈された。海防艦天草は女川港の最
も西側の岸壁近くに在泊していたが、撃沈された。この攻撃でイギリス機2機が艦艇の
猛烈な対空砲火を浴びて撃墜されているが、その中の1機は天草に爆弾を投下直後に被
弾しキリモミ状態になり、女川港の南岸壁直前の海中に突入している。
 また1機の護衛戦闘機も被弾しパイロットはパラシュート降下したが、日本の憲兵隊
により捕虜にされたが僅か6日後の終戦で解放された(日本軍の捕虜になった連合軍兵
士の最短捕虜期間記録)。
 この日私は疎開先の高清水町の親戚の家の畑でジャガイモ堀の手伝いをしていた。突
然上空に現れた数機の敵機に驚き、全員で近くの桑畑に避難した。低空で現れた数機の
敵機は4キロ先の四檀原秘匿飛行場の銃撃を繰り返していた。機銃を発射する音が響き
渡り恐ろしかった。
 既に69年も前の出来事だが、この日が来るとまるで昨日のよう当日の様子を思い出
すのである。
 現在女川湾の北側の丘の上には、海防艦天草の犠牲になった乗組員を鎮魂するための
慰霊の石碑が立っている。

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