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2015年9月

2015年9月25日 (金)

2015年9月アイビー随筆

アイビー随筆 「思い出の電車」
       37年理学部卒 大内 建二

 今や渋谷駅前の交差点は世界的に有名な日本の名所になっている。日本に
行ったら必ず見るべき処の第一位は金閣寺、第二位が渋谷駅前のスクランブル
交差点だそうだ。

 数年前にアメリカ人の観光客が撮影したこの交差点のビデオがインターネット
に投稿されると、その行き交う人々の多さと、その人々が信号が変わる毎に一斉
に止まり、一斉に動き出すのが「信じられない」行動として一躍世界的に有名な
場所となってしまったのである。

 ところでこの交差点のすぐ後ろにあるハチ公の銅像の脇に、緑色の丸っこい電
車が置かれているのに気が付かれよう。この電車は東急電鉄が昭和29年10月
に、満を持して世に送り出した革命的な高性能電車「東急5000型」、それも
そのナンバーワンの5001型が展示されているのである。軽量構造のこの電車
は当時の鉄道ファンであればだれでも知っている超有名な電車として歓迎された。

 東急東横線の都立大学駅近くの高校に通っていた私が1年生の秋10月、この
電車がデビューした時、クラスの我々電車好きはこの電車に乗りたかった。

 渋谷発桜木町行きのこの電車が毎日都立大学駅に到着するのは午後2時48分。
午後の授業が終わるのは午後2時40分。我々数名は授業が終わった途端に鞄を
持ち脱兎のごとく教室を飛び出し、都立大学駅までの約800mを駆けにかけた。

 改札口を通過するのとこの5000型電車がホームに入ってくるのはほぼ同時。
ハーハー言いながら電車に飛び乗り約3分。降りるべき次の自由が丘駅に到着。

 たったこれだけのことに熱中した思い出の電車なのだ。この電車が画面に出て
くる度に激しい800メートル徒競走を思い出す。

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