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2016年4月12日 (火)

2016年4月アイビー随筆

「お弁当」          

           37年理学部卒 大内建二

 スーパーの惣菜売り場に行くと実に多種多様のお弁当が売られている。 「ハンバーク弁当」、「鮭フライ弁当」、「焼肉弁当」、「シュウマイ弁当」 等など実に多彩だ。値段も手ごろである。

 振り返ってみると私の弁当生活は中学1年生に始まった。食糧難時代 はどうやら脱出した昭和26年春からである。しかしその内容は実に貧 相であった。しかしそれが当時の標準ではあったのだ。その内容とは、弁当箱は底の深いアルマイト製の所謂ドカベンである。ドカベンという 言葉の由来は現在ではほとんど忘れられているが、大食を必要とする 「土方(ドカタ)の弁当」の意味である。

 我々誰ものドカベンも内容はほぼ同じ「二段重ねの海苔弁当」で、オ カズは二~三切れの沢庵。それで十分であった。高校生の時も同じ内容 であったはずだ(ただ女子生徒の弁当の内容は知らない)。ところが高校 三年生になる直前に私にとって弁当の概念を変える大事件が起きたのだ。

 高校三年生になる直前の春休み、南紀一周の修学旅行に出かけた。帰り路の途上国鉄紀勢西線の列車が紀伊白浜駅に到着した時、駅の仕出し 屋から駅弁が車内に運び込まれたのだ。経木で出来た弁当箱の蓋を開いた途端、生徒一同は歓声を上げた(ような記憶がある)。

 今から思うと何の変哲もない最も安い幕の内弁当であるが、このよう な豪華な(その時は正にそう思ったのだ!)弁当は見たこともなかった。内容は「ゴマの振り掛けられたご飯に、魚のフライ、蒲鉾、卵焼き、佃煮、煮豆等など=記憶は定かでないが大きな違いはないはずだ」。

 まだまだ粗食の続く時代にこのような弁当が存在するものか! と一同ただただ驚いていたはずである。今でもこの時の驚愕の記憶は鮮明で、 スーパーで売られている幕の内弁当を見るにつけ強烈な記憶を思い出す。

 最近買い物のついでに近所のスーパーで「焼肉弁当」を買って来て昼食に食べた。美味しいですね! 当時であれば極々々上弁当だ。

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