« 第15回東京六大学OB・OG対抗ゴルフ大会 | トップページ | 2016年6月アイビー会 »

2016年6月28日 (火)

2016年6月アイビー随筆

アイビー随筆「医者の面白話」  

  37年理学部卒  大内建二

 今月は少し長くなるが過去に実際にあった漫談・マンガのような話を紹介したい。既に50年以上も昔の話で時効である。
 私は過去に大きな腹部の手術を2回受けている。最初は高校2年生の夏休みで、クラスメート数人とテントを担いで尾瀬ヶ原に行った。その途中で腹痛がしたが我慢して帰ってきた。その直後激烈な腹痛に見舞われたが、結果は虫垂炎の「悪化」で発症した穿孔性腹膜炎であった。かなりひどい状態であったが手術の結果何とか一命は取り留めた。
 これを発症した人は術後5~6年は極度の疲労が伴う運動や行動などは厳禁である。丁度術後6年目の大学4年生のまたしても夏休み、所属していたクラブの夏季フィールド調査は、連日の猛暑の知多半島で行われた。帰宅した直後再び猛烈な腹痛に見舞われた。緊急入院した診断の結果は「極めて重症の腸閉塞」。医者の注意勧告の通りの発症であった。
 手術の結果再び何とか、本当に何とか一命を取り止めた。私の二度の手術を担当した外科医は40歳代後半の脂の乗り切った医師。彼は戦時中は陸軍軍医として激戦地の野戦病院で辛酸をなめ尽くした筋金入りの外科医であったのだ。
 本当に奇跡的に一命を取り止め回復期にあった私に対し、そのS医師は「君は完全に“オダブツ”だと思ったよ!」。患者に対し何というデリカシーの無い言い草! 当時はまだ旧軍医が幅を利かせていた時代であった。
 それから2年後、何かの治療で再びその病院に行った時、待合室でお世話になり親しくなった看護婦長と会った。彼女は開口一番小声で「この間面白いことがあったのよ!」。「S先生がね、盲腸の手術をここでしたの」。「S先生はいつも自分が使う手術台に乗せられ寝かされたはいいけれど、執刀することになった大内さんが知っている外科のN先生に向かって、“お前切り方知ってるのか?”、“痛くするな!”、“テメー何やっている!”、“痛てーッ!”、“コノヤロー覚えてろッ!”」、「もう大騒ぎなのよ。手空の看護婦が面白がって手術室に集まって来たけれど、ただもう皆ゲラゲラ笑うばかりだったわ!“仇を取った”だって」。

|

« 第15回東京六大学OB・OG対抗ゴルフ大会 | トップページ | 2016年6月アイビー会 »

アイビー随筆」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/510903/63840469

この記事へのトラックバック一覧です: 2016年6月アイビー随筆:

« 第15回東京六大学OB・OG対抗ゴルフ大会 | トップページ | 2016年6月アイビー会 »