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2017年4月

2017年4月 7日 (金)

2017年4月アイビー随筆

 アイビー随筆「春は名のみの」 

           37年理学部卒 大内 建二

 

 今はわからないが、我々が中学の頃に必ず習った歌に「早春賦」がある。

「春は名のみの風の寒さやーー」で始まるこの歌、歌詞は固いが大変に心にしみわたる良い歌である。

 ところでこの歌の作曲者は誰? となるとほとんどの人は「?」となるに違いない。知らずにいた人も大変多いことと思う。実はこの曲の原曲は、モーツアルトが最晩年に作曲した歌曲「春へのあこがれ」なのである。彼はこの曲が大変に気に入っていたらしく、この曲に続いて作曲した彼の最後のピアノ協奏曲である第27番の第3楽章の出だしの数小節に、この旋律を使っている。有名な「蛍の光」も元々はイギリスの曲だ。

歌には勘違いや記憶違いが多い。その代表格に「夏の思い出」がある。この歌は昭和20年代中頃にNHKが発表した歌であるが、この歌の歌詞の中に「はるかな尾瀬、遠い空、ミズバショウの花が咲いているーー」という歌詞があるが、これがあるためにミズバショウを見たことのない人は、ミズバショウとは尾瀬特有の花である、と勘違いしてしまっているのである。

 音楽には時には我慢のならないことが起きることがある。我が立教大学の有名な第2応援歌「St Pauls with shine tonight」が、何時の頃からか多少の編曲はあるものの、我が憎っくき阪神タイガースの応援歌に使われているではないか! 許されないことだ! 

早稲田大学の応援団のブラスバンドチームが昭和20年代に作曲した有名な「コンバットマーチ」も、かなり昔から高校野球の各チームの応援曲にブラスバンドチームが演奏している。ほとんどの人はこの曲が本来は早稲田大學の応援マーチであるとは思っていないはずである。

 音楽や歌には様々に思いをはせることがありやはり楽しいものである。現在意外な曲が隠れたベストセラーとして楽しまれていることご存知だろうか。東京のJR各駅で電車の発車の際にホームに流れる通称「エキメロ」である。東京都内各駅のエキメロのCDが隠れたベストセラーとして大変な売れ行きだそうである。確かに上京する際に最寄りの駅で聞く、駅毎の短いフレーズのエキメロは何時の間にか耳にこびりついていることに気が付く。これを書いている今も東京駅のエキメロが耳元で聞こえるようである。

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