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2017年7月

2017年7月28日 (金)

2017年7月アイビー随筆

アイビー随筆 7月号
 アイビー随筆「斎藤報恩記念会館」
             37年 理学部卒 大内建二

 アイビー会のメンバーの多くの方々は「斎藤報恩記念会館」をご存じないのでは?と思っている。本会館はかつてのプラザホテルに隣接して建っていたが、現在は平成11年の同記念事業の解散により会館は消滅している。
 本会館は江戸時代に庄内の本間家に次ぐ日本で二番目の規模の豪農と言われた、桃生郡の斎藤家の当主である斎藤善右衛門が、戦前の昭和8年に学術振興のために建設した建物で、完成当時は旧宮城県庁に匹敵する規模のビルであった。
 ビルの外観は東京・上野の国立科学博物館を縮小したような酷似した建物で、昭和10年前後のビル建築スタイルを見事に表現した建物であった。ちなみに同じ時期に建てられた現存する仙台市内のビルに、上杉の北一番町にあるかつての簡易保険局ビルがある。
 斎藤善右衛門(代々当主は同名)は明治時代に代議士となり、特に日本の科学教育の普及に貢献した篤志家でもあった。斎藤報恩記念館の中には自然史科学博物館がワンフロワー開設されており、そこには日本でも希少な中生代のアロサウルスやトリケラトプス等の恐竜の化石を見ることが出来た。私は昭和50年代の後半に一度訪れたことがあったが、この展示物には驚かされた。上野の国立科学博物館の一階ホールにも、この博物館の目玉展示物であるアロサウルスの化石が展示されているが、まさか仙台のこの目立たない博物館に展示されているとは! まさに驚きであった。なおここに展示されていた資料の総ては会館の解散に伴い、上野の国立科学博物館に寄贈されている。
 この建物は昭和40年代に入り周囲にビルが立ち並ぶと、その中に埋没されいつの間にか忘れ去られた建物になってしまっていた。
 実は仙台にもう一つ自然史博物館があるのをご存じだろうか。東北大学の青葉山キャンパスの理学部施設内に、「理学部付属資料館」という比較的大きな施設がある。ここには仙台市やその周辺で発掘された様々な動植物の化石が展示されている。青葉山の龍ノ口渓谷で発掘されたナウマンゾウの化石も展示されている。市内見物のループルバスもこの施設前に停車するので、ご興味ある方はどうぞ。

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