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2017年8月 5日 (土)

2017年8月アイビー随筆

アイビー随筆8月号

  アイビー随筆「エキメロ」  37年理学部卒 大内 建二

 

 東京のJR駅で電車の発車ごとに奏でられるいわゆる通称「エキメロ」はなかなかに良い雰囲気を醸し出す。急き立てられるような発車ベルとは乗客が受ける感覚は全く違うのである。穏やかになる。

 この「エキメロ」は、例えば山手線の場合29駅すべてが違うわけではなく、数曲を振り分けて使っているのだ。そして連続する駅のメロディーが重なることはない。一番多く使われているメロディーは「せせらぎ」という曲で、鶯谷、御徒町、有楽町、浜松町などで使われている。面白いことだが、田町から日暮里までの間、山手線と京浜東北線は上下線同じホームを使っているが、発車に際しては夫々曲が違うのである。お気づきですか?

 「エキメロ」には二曲だけ例外がある。山手線の高田馬場駅の「エキメロ」はテレビ漫画「鉄腕アトム」の主題曲が使われているのだ。これは

作者の手塚治が若かりし頃この駅の周辺に下宿していたことに由来するのである。また京浜東北線の蒲田駅の「エキメロ」は、有名になった映画「蒲田行進曲」のワンフレーズが使われている。上京の際にはぜひJR駅毎の「エキメロ」を楽しんでは如何? いまやこの「エキメロ」は全曲CD化され、ベストセラーともなっているのである。 「エキメロ」のルーツはかつての国鉄の長距離列車の車内放送の前奏にあるのだ。私は会社勤務時代に昭和39年から46年にかけて出張で東京と門司の間を所謂ブルートレーン特急で何度も往復した。この時例えば特急「あさかぜ」が朝6時に山陽本線の小郡駅付近に達すると、車内放送の車掌の第一声が聞こえてくる。その前に前奏の一曲が流れるのである。曲名はドイツの作曲家ハイケンスのセレナーデの最後の一節である。

 曲が短く終わると車掌が「皆さんおはようございます。列車はただいまーー」と放送を始めるのだ。この曲が実に爽やかに聞こえるのである。その後車内放送の前奏に「汽笛一声」の曲が流れるようになった。

 かつて東北新幹線が仙台までしか開通していなかったころ、仙台以北の急行列車でも車内放送の前奏に「メロディー」を流した。例えば列車が古川駅に近づくと、この地方の有名な民謡「お立ち酒」のワンフレーズが流され、盛岡駅に近づくと有名な「南部牛追い歌」が流された。いかにも東北本線である。

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