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2020年6月

2020年6月15日 (月)

2020年6月アイビー随筆

アイビー随筆6月号
 アイビー随筆「タクシー」
              37年 理学部卒   大内 建二
 今年の初めに足を痛め、通院などのために近距離ながらタクシーを利用する機会が多かった。以前からそうであったが仙台のタクシーの運転手は概して楽しい人が多い。私はタクシーに乗車中に運転手と会話をすることが多い。出身地の話をすればほぼ全ての場合会話が弾む。
 最近気が付くことだがタクシー運転手の年齢が高齢化している。それだけに話題も自然に豊富になるのだ。会話も自然に方言になる。ある時など自宅のマンションに到着したが、話が終わらず運転手はメーターを倒してから「ほんでっしゃ」と話が更に続いたことがあった。
 話は変わるが、30年以上前の昭和60年頃、仙台の日交タクシーが黒塗りの有名なロンドン・タクシーを数台輸入し運用していたことがあった。イギリスのオースチン社製のタクシー専用の有名な車で、仙台駅のタクシー乗り場に常に1~2台が客待ちをしていた。
 ある時興味に駆られて自宅まで乗車したことがあったが、乗車した感じはと言うと「すこぶる乗り心地が悪い」であった。
 後部の客用の客席は背モタレが90度の直角で天井が高い。これは正しく背の高いシルクハットを被りステッキを持ったイギリス紳士が、背筋を直角に伸ばし威厳をもって乗り込むための車である。助手席と運転席の背後には折り畳み式の補助椅子がある。同行の執事でも座るものなのか。とにかくバネも硬く尋常なタクシーではなかったことを覚えている。
 変わったタクシーと言えば昭和30年代の中頃、東京ではフランスの小型車ルノー4CVやドイツのフォルクスワーゲン・カブトムシをタクシーに使っていた。ある時学校の正門前から池袋駅西口までの最短距離を友人と興味に駆られてルノー・タクシーに乗ったことがあったが、とにかく小型すぎて窮屈で乗り心地も最悪だった。料金は最低料金の60円(現在の価格で660円相当)であった。この車、日本の日野自動車が当時ノックダウン生産(部品を輸入し日本で組み立てたる方式)していたものであるが、直後に日野自動車はこの車の技術を手本に、ベストセラーカーの「ベレット」を量産したのだ。

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